探偵の仕事
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無許可で探偵をするとどうなる?必ず探偵業届出証明書を提出しよう

無許可で探偵をするとどうなる?必ず探偵業届出証明書を提出しよう

探偵業を始めるときは「探偵業の業務の適正化に関する法律」(以下、探偵業法)によって、事務所や営業所の所在地を管轄する警察を通して都道府県公安委員会に必要な書類を届け出ることと決められています。

また、届出が受理されたときに交付される「探偵業届出証明書」は、営業所内の見えやすい場所に掲示することが義務づけられています。

もし無許可(無届)で探偵業を行うとどうなるのか、詳しくご説明します。

無許可で探偵をするとどうなる?

営業許可証

探偵業は許可制ではなく届出制なので、事前に許可を得る必要はありません。しかし、適正に届出をしないと次のような罰則を科されます。

刑罰を受ける

届出をせずに探偵業を営んだ場合は、探偵業法第18条によって6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。

探偵業法第18条
次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
1. 第4条第1項の規定による届出をしないで探偵業を営んだ者
2. 第5条の規定に違反して他人に探偵業を営ませた者
3. 第14条の規定による指示に違反した者

第4条第1項とは、「探偵業を営もうとする者は届出書を提出しなければいけない」という内容を記したものです。

また、届出をした者が別の人に探偵業を営ませる「名義貸し」も探偵業法第5条で禁止されています。従わない場合は同様の刑罰を受けます。

一定期間、営業停止になる

探偵業者として法に触れることをした場合は、6ヶ月以内の営業停止命令が下されます。
無届での営業も探偵業法に違反することになるため、営業停止処分の対象になります。

探偵業法 第15条
公安委員会は、探偵業者等がこの法律若しくは探偵業務に関し他の法令の規定に違反した場合において探偵業の業務の適正な運営が著しく害されるおそれがあると認められるとき、又は前条の規定による指示に違反したときは、当該探偵業者に対し、当該営業所における探偵業について、6月以内の期間を定めて、その全部又は一部の停止を命ずることができる。

さらに公安委員会によって、営業停止処分を受けた業者名は処分の日から3年間、都道府県警察または各都道府県の公安委員会のホームページに公表されます。

社会的信用をなくし探偵として依頼が受けられなくなる

探偵_信用をなくす

無届けで探偵業を行うことは、探偵業法違反にあたります。懲役刑または罰金が科されますが、それだけでなく口コミなどでそのことが伝わると社会的信用をなくしてしまいます。

特に探偵は業務の性質上、調査対象者や依頼者の秘密を知る機会が多くあります。そのため、秘密保持義務があり、個人情報保護に努めなければなりません。

信用が何よりも大切ですが、営業停止命令などの処分で社会的信用をなくすと仕事の依頼が減ってしまいます。

その後、きちんと届出を出したとしても、探偵としての仕事を続けることは困難になるでしょう。

無許可で探偵をしている事務所の事情

探偵_闇営業

本来は届けを出してから営業を始めるべきですが、中には無届けで探偵をしている事務所があります。そうなる過程にはさまざまな事情があり、大きく分けると次の3パターンになります。

  1. 欠格事由に該当し届出ができなかった
  2. 探偵業法で許可を取り消されたがそのまま営業していた
  3. 元々、探偵業の届出をしていなかった

では、それぞれを詳しくご説明します。

欠格事由に該当し届出ができなかった

探偵業法第3条で下記のケースを「欠格事由」として定め、探偵業を営むことができないとしています。

いずれかの欠格事由に該当するため、あえて届出を提出せずに営業している業者があります。

  • 1.破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  • 2.禁錮以上の刑に処せられ、又は探偵業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
  • 3.最近5年間に営業停止命令・営業廃止命令に違反した者
  • 4.暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
  • 5.心身の故障により探偵業務を適正に行うことができない者として内閣府令で定めるもの
  • 6.営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が1から5又は7のいずれかに該当するもの
  • 7.法人でその役員のうちに1から5までのいずれかに該当する者があるもの

参照:警視庁 探偵業の業務の適正化に関する法律等の概要

例えば破産手続きをした人は、復権するまで探偵業はできません。他にも刑の執行を終えて5年間経過するまでの人や暴力団員もできません。

欠格事由に該当しないことを証明するために、開業届を提出する際には「探偵業開始届出書」と一緒に下記の書類を添付することになっています。

経営主体 提出する書類
個人 ・履歴書
・住民票の写し(本籍記載のもの)
(外国人は国籍などが記載されているものに限る)
誓約書(欠格事由のいずれにも該当しないことを誓約する書面)
身分証明書(市区町村が発行。破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しないことを証明するもの)
法人 ・定款
・登記事項証明書(法務局発行のもの)
・役員の履歴書、住民票の写し(本籍記載のもの)
身分証明書(市区町村が発行。破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しないことを証明するもの)
誓約書(欠格事由のいずれにも該当しないことを誓約する書面)

(参考:大阪府警察署 探偵業を営もうとする場合

欠格事由に該当しながら探偵業を営んでいると、公安委員会から営業廃止命令が出されて営業ができなくなります。

探偵業法違反で許可を取り消されたがそのまま営業

開業時にはきちんと届けを出していたにも関わらず、営業する中で違反行為があって営業停止命令または営業廃止命令を受けた事務所がそのまま営業を続けているというケースがあります。

営業停止処分は最大6ヶ月で、その間は探偵として仕事をすることができません。それなのに、停止処分中も探偵として依頼を受けたり、廃止命令が出されているのに無視して業務を行ったりしている業者がありますが、これらは違法なので、本来は営業を禁止されています。

処分を受けた業者名は警察署または都道府県公安委員会のホームページに公開されているので、事前に確認するようにしましょう。

元々、探偵業の届出をしていなかった

あってはならないことですが、探偵業を開業する際に探偵業法のことを知らなかったために届出をせずに営業を始めてしまうケースがあります。

これは探偵業という仕事を安易に考えていたり、便利屋さんなどの仕事の延長として人探しや盗聴などを請け負ったりする場合に見られます。

あるいは面倒だったので届出を出さずに開業したというケースもありますが、無届の営業は「闇営業」となり探偵業法で禁止されているものです。

無届の業者かどうかを確かめるには、事務所や営業所に「探偵業届出証明書」が掲示されているか、またはホームページに「探偵業届出番号」があるかどうかを見てみるといいでしょう。

無許可で探偵をするリスクまとめ

探偵業を始めるには、事務所がある地域を管轄する警察署を通して都道府県の公安委員会に届出をしなければなりません。

無届で開業すると探偵業法違反になり、探偵業停止命令が出されます。

また、探偵業ができないケースとして「欠格事由」を設けています。欠格事由に該当すると探偵業ができませんが、それを無視して営業をすると公安委員会から営業廃止命令が出されて仕事ができなくなります。

きちんと届出書を提出している探偵業者かどうかは、事務所に「探偵業届出証明書」の掲示があるかどうか、またホームページに「探偵業届出番号」の記載があるかどうかで確認することができます。

安心して依頼できる探偵業者かどうかをよく確かめることが大切です。

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