探偵の仕事
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無許可で探偵をするとどうなる?

無許可で探偵をするとどうなる?

2007年に探偵業法が施行されて以降、探偵業を行うには欠格事由を確認して届出を提出する必要があります。届出を行わずに探偵業を行っている場合、違法行為に当てはまりますから、刑事罰で最悪の場合刑務所への送還も否めません。

無届で探偵業をすると逮捕される?無届の探偵は違法行為!

探偵業を無届で行うと<探偵業法違反>になり、刑事罰があります。もともと探偵という仕事は、開業するにあたって特に必要な資格がなく、誰でもいつでも始められる仕事でした。ところがあまりも簡単に開業できる為、同じ探偵を名乗りながら、長年のスキルとノウハウを持った優秀な探偵と、気分で探偵を始めたばかりの素人探偵の見分けがつかず、業界はまさに文字通り玉石混交の状態だったのです。

もちろん素人レベルの探偵が長続きするわけはなく、自然と淘汰されていくモノですが、それまでに引き起こす顧客とのトラブルは、業界全体のイメージダウンに繋がります。そうした業界の悪評を一掃するために、調査業協会などの業界団体辺りから、探偵の開業を届出制にするようにといった要望が上がりはじめました。

一方、政府も探偵業が調査業務の関係上、個人情報を扱う事の多い仕事なので、それが野放図に誰でも開業できる状態を快くは思っていなかったわけです。業界と政府の思惑が結びついた結果、2007年探偵業法が施行され、探偵業は開業するにあたり、地元の公安委員会に届出することが義務付けられました。

この探偵業開業の届出制は、単なる業界の努力目標ではなく、違反すると
“6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金”
という刑事罰が科せられてしまいます。

刑事罰があるということは、近代民主主義国家ニッポンでは、当然裁判にて量刑を確定する必要があります。そのため無届で探偵業をしている疑いを持たれると、ある日突然刑事が事務所になだれ込み、“逮捕されてしまう”可能性もあるわけです。

意外とそのボーダーはグレーゾーン!どんな時に無届営業になる?

無届営業による“探偵業法違反”の基準は、意外とグレーゾーンです。無届営業による探偵業法違反で、検挙されてしまうパターンは、

  • 違法と承知で、無届の状態で営業するケース
  • 法律を知らなかったケース

に大別出来るでしょう。

前者はいわゆる“確信犯”ですが、後者の場合は単なる無知では済まされない、色んな事情でやってしまったというケースでもあります。

好きで無届営業しているわけではない?無届業者の抱える事情

届出制でも届出できない事情のある人が、無届業者になることは珍しくありません。探偵業法の施行によって、これまで何の規制もなかった探偵業の開業が届出制に変わりました。しかしあくまで認可制ではなく届出制ですので、大抵の人は書類を揃えて届出手続きを行うだけで探偵になれます。

とはいえ無条件で何でもかんでも探偵業の開業を認めているのでは、昔と変わりません。探偵業法には、届け出ても開業を認めない<欠格事由>というモノを設けています。具体的には、

  • 未成年
  • 過去5年以内に探偵業法を違反したり、禁錮以上の刑事罰をうけている
  • 現在暴力団構成員、または過去5年以内に暴力団の構成員だった
  • 破産者(過去に破産者であっても、復権していればOK)

という5つの欠格事由です。

これらの中のひとつでも該当したら、いくら開業を届け出ても認められません。しかし、これらの欠格事由をひとつひとつ見ていけば、時間の経過で大抵の人はクリアできる問題です。未成年は探偵業を開業できませんが、放っておいても歳をとって成人になれば開業が可能になります。

過去に前科がある場合も、5年経てば欠格事由に該当しなくなりますし、暴力団構成員も同じです。やや難があるのは破産者の場合で、これは放っておけば時間が解決するというわけにはいきません。しかし借金問題を解決し、復権すれば欠格事由もなくなります。

欠格事由該当者に開業の希望!それでもなぜ違法開業する?

そんなわけで、基本的には一生欠格事由がなくならず、探偵を開業できないといった人はいないわけです。しかし世の中には、欠格事由がなくなるまで待てず、バレたら違反になる事を承知の上で、無届で探偵業を開業する人もいます。
一番ありがちで判りやすいケースは、
“探偵業法違反で、開業を取り消された人”
でしょう。

探偵業法は探偵業の開業に関するルールを定めているだけではありません。探偵業法は開業に関するルール以外にも、

  • 探偵業とはどんな仕事か?
  • 探偵がしてはいけない事

といったモノが定められています。

そうしたルールに違反すると、公安委員会の判断で<営業停止命令>や、最悪の場合は<廃業命令>といった行政処分が下され、探偵業を辞めざるをえないこともあるわけです。
廃業命令を下された場合、欠格事由にある“過去5年以内に探偵業法を違反した”という理由が該当してしまいます。だからといって、他の商売に転職できないくらい長いあいだ探偵業界で生きてきた人は、やっぱり探偵をする他に道はありません。

また欠格事由が消滅するまでの5年間、何もしないで生きていけるわけはありませんので、結局無届が違法と承知の上で、また探偵業をはじめてしまうわけです。

法律を知らないで、無届探偵になってしまう2つのパターンとは

本人が意識していなくても、“無届探偵”として処罰されてしまうことがあります。探偵業というのは、その元祖を辿ると明治時代にまで遡ることの出来る、ある意味“由緒正しい職業”です。冒頭で紹介したとおり、探偵業法が施行されるまでは、無届で開業できていたのですから、日本国内に結構な数の探偵業者がいたことは用意に推測出来ます。

施行後1か月は無届探偵OKでした。その後も無届状態を続けると……

そんな探偵業法の施行以前から探偵業をしていた探偵業者は、探偵業法が施行された瞬間から、“全員無届探偵”になってしまうわけです。もちろん勝手に法律を作っておいて、それに引っ掛かったら即検挙なんて横暴なマネをしたら大問題ですので、探偵業法施行の場合は、
「探偵業法施行日(2007年6月1日)より、1ヶ月間は無届状態で探偵業を営んでもOK」
という“経過措置”が採られました。

つまりこの猶予期間のウチに、これまで探偵業を開業してきた業者の人はちゃんと届出をすれば、無届業者として処分されることを免れたわけです。ところが世の中には色んな人がいるもので、探偵業法が施行され経過措置の1ヶ月を過ぎても届出を行わず、無届探偵として逮捕された人も実在しました。

この事件は2007年に発生しましたが、業界へ届出制を周知させる“見せしめ”として、ニュースでも取り上げられていました。しかし、その逮捕された業者の言い分は
「(既存業者も届出が必要だとは)知らなかった」
というモノです。

調査業務という、情報を扱う仕事である探偵が、法律の大きな変化や社会の動きに疎いというのは、やや疑いの目でみてしまいます。しかし探偵業法施行当時、ホントに届出を失念して無許可状態の探偵は少なからず実在しました。今は探偵業法が施行されて10年以上になります。この期に及んで勝手に探偵事務所を設立し、法律を知らなかったは通用しないでしょう。

素人探偵が法律違反に問われるポイントは、報酬の有無

もうひとつ法律を知らないと言う理由で、本人が知らぬ間に無届探偵になってしまうケースがあります。それは
“友人知人に頼まれて探偵行為をして、報酬を貰った場合”
でしょう。

事件に巻き込まれて素人探偵が捜査に乗り出す…というのはドラマや小説でよくある展開です。リアル社会でもパートナーの浮気や、ストーカー被害に悩む友人知人の相談に乗って、
「探偵に頼むと金が掛かるから、オレが解決してやる!」
と探偵の真似事を始める人は実在します。

探偵業法施行以前であれば、そうした素人探偵は、勝手に他人のうちに侵入するなどの一般的な法律に抵触するようなことをしなければ問題ありませんでした。ところが探偵業法施行後は、探偵の行う調査業務を一般人が行うと
“無届業者になってしまう”
可能性が出てきたのです。

具体的には、調査が目的で他人を尾行したり、他人の家を張り込んだり、聞き込み調査を行ったりすることが、“探偵業務”とみなされます。
ただし、友人知人の悩みを解決するために、そうした探偵行為を行ったとしても、絶対に違法行為になるとは限りません。素人探偵が探偵業法違反に問われるか否かのポイントは
“報酬を貰っているか?いないか?”
という点です。

これは本来なら弁護士しか出来ない交渉事や、法律事務を一般人が行う<非弁行為>の扱いと同じで、報酬を貰ったらアウトですが、無償の協力であればセーフになります。
だから友人知人の悩みを解決するため、素人探偵として問題を解決した場合、その友人知人から
「気持ちだから…」
と言われようが、1銭の報酬も貰ってはいけません。あくまで無償のボランティアとして友人知人を助けることにしましょう。

まとめ~最悪刑務所に行くハメになる?無届の探偵行為は要注意!~

無届探偵は、違法行為で刑事罰があります。「無届○○」なんて、ブラック・ジャックみたいでかっこいい、などと思ってはいけません。無届による探偵業法違反の刑事罰は、最悪の場合、懲役6ヶ月の懲役…つまり刑務所送りになる可能性があるということです。まぁ、実際の刑事手続きを考えると、逮捕されることはあっても、素直に罪を認めていれば、起訴されて公開法廷で裁判に掛けられるといった大事になる可能性は低いでしょう。

最初から罪を認めていれば、逮捕された翌日辺りから<略式処分>を提案されます。それに応じれば、<略式起訴>され罰金を支払って終わりです。裁判が開かれるまで拘置所に身柄を勾留されることもなく、逮捕されてから数日でシャバに戻ってこれるでしょう。とはいえ略式処分を受けたということは、身分は“前科者”になるということです。そして逮捕されるという、人生でもそうそう起こらないことを体験したことで、その後の家庭や職場の人間関係に大きな変化が生まれるでしょう。

探偵業に関わらなければ、基本的には探偵業法違反など関係ありません。しかしドラマや小説の影響を受けて、素人探偵の真似事などすると、思わぬトラブルに巻き込まれる危険があるので、十分に注意しましょう。

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