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探偵の尾行の仕方とは?尾行テクニックの基本を解説
この記事の目次
尾行とは?探偵の基本テクニック!
探偵に求められるスキルで、代表的なモノはやはり尾行でしょう。浮気調査にしろ素行調査にしろ、調査対象者の日常行動を把握する必要があります。
それも調査対象者本人に、自分が調査されていることは知られてはいけません。そこで密かに後を尾けて、調査対象者の行動を調べる尾行は、探偵として重要なスキルなのです。
TVドラマや映画などで探偵が尾行するシーンが度々登場しますが、電柱に隠れて行動を見守るようなわざとらしい動きはしません。本来の尾行は調査対象者の予想の斜め上を行っています。というのも、“調査対象者にバレたら尾行は失敗”だからです。
対象者に気づかれない”追尾”が基本です
尾行は、調査対象者に尾行をされていることを気づかれず行うのが鉄則になります。TVドラマや映画は視聴者に“探偵が尾行をしている”ということを判りやすく伝えるのが目的で、わざとあからさまな尾行を演じているだけです。
本来なら尾行の方法を自体公開しないほうが、探偵にとってはありがたいのですが、探偵が公開している範囲で“尾行の仕方”をご紹介しましょう。
探偵が徒歩で尾行する方法
探偵として一人前の尾行スキルを身につけるには、3年は必要だと言われています。尾行者である探偵の都合などお構いなしに好き勝手動き回る調査対象者を、いかに見失わず後を尾けるかというスキルは、そう簡単には身につきません。
相手の動きを先読みしたり、想定外の動きに対して臨機応変に対処できることが、優秀な探偵のスキルと言えるでしょう。
ただその境地に達する前に、尾行を成功させるために最低限注意しておかなければならないポイントとしては、
- ターゲット(調査対象者)の認識
- 尾行の格好
- 歩き方
- チームワーク
などです。
まずはココから!ターゲットの姿を頭に叩き込む
尾行調査はターゲットの容姿を、完全に覚えることが第一です。調べるべきターゲットを遠目に見ても、一瞬で捕捉できるほどターゲットの容姿を覚えておかなければなりません。
尾行を始める時にしても、尾行をしている時も、すぐそばでターゲットを見るわけにはいきませんから、事前にターゲットの容姿はしっかり把握しておく必要があります。
ターゲットの容姿に関する情報は、調査を依頼してくる依頼人から提供してもらうのが普通です。この時依頼人が、免許証やパスポートのような上半身の顔写真しか持ってこなかった場合、新たな写真を提供してもらうことになるでしょう。その時のポイントは
- 全身が写っているモノ
- 真正面以外の方向から撮ったモノ
といった点です。
顔写真以上に大切なのは、全身を写した写真です
全身の写真というのは、そこからターゲットの体型がわかります。上半身だけの写真でも、極端な痩せ型の人や肥満体型の人なら、大体の体験は想像できますが、それはあくまで想像に過ぎません。
全体的な体型はやっぱり実際に撮られた写真を見ないとわからないわけです。また全身が写っている写真であれば、背景に写り込んだモノから身長や顔の大きさ、雰囲気などさまざまな情報を知ることができます。
全身は、正面よりも横や後方からのスナップ写真が使える!
また基本的に尾行はターゲットの後方から行います。だからターゲットの顔を真正面から見る機会は少ないので、真正面から撮ったターゲットの写真というのはあんまり役には立ちません。
むしろ真正面以外の方向から撮ったモノが必要で、特にターゲット本人が写真を撮られていることを意識していないスナップ写真のようなモノが望まれます。
こうしたターゲットの容姿を映した写真は、依頼人から提供してもらうわけです。その写真は調査に参加する調査員全員で共有され、尾行調査開始までに、ターゲットの姿を頭に叩き込みます。
探偵とは気づかれない?尾行する時の装い
尾行する場合、最も重要なポイントはターゲットに尾行を気づかれないことです。
したがって尾行をする場合、探偵が気をつける点は、行動よりもまずは“格好”になります。探偵というと、トレンチ・コートを着て帽子を目深に被り、手に虫眼鏡を持っている……というイメージでしょう。しかし実際に仕事をする場合、そんな格好で尾行をしている探偵はいません。
尾行調査を行う時の格好の条件はただ一つ、“目立たない”こと
ターゲットが徒歩で移動する場所といえば、普通は街中の繁華街や住宅街など、少なくともターゲット以外にも人通りがあります。
だから密かに後を尾けていけば、ターゲットが無警戒な限り、気づかれる可能性は低いのです。とはいえ探偵が注意を引くような目立つ格好をしていれば、尾行がバレることも考えられるわけです。
TPOを意識して装いを考えれば、風景に溶け込める
探偵が男性の場合、大手チェーン店のビジネススーツを着て、アタッシュケースを手にしていれば、十分景色に溶け込めるでしょう。
日本のサラリーマンは、ありとあらゆる場所で飛び込み営業を繰り広げていますので、街中の雑踏であっても、住宅街の裏道であっても、ベーシックなスーツ姿であれば、ターゲットと目が合うなどない限り、尾行を疑われる可能性は低くなります。
とはいえ常にスーツ姿でOKかといえば、そういうわけではありません。尾行をする日が平日なら、ビジネススーツを何処で着ていてもそれほど違和感はありませんが、土日祝日の尾行でスーツだと妙に浮いてしまいます。
「休日出勤するサラリーマンのふり!」という言い訳もできないことはありませんが、そんないい訳を首から下げて歩くわけにはいきません。
尾行を行なう設定が決まったら、その付近を歩いていてもターゲットを含めて周囲に溶け込む格好をすることが肝心です。場所によってはビジネススーツより、工場の作業着でも着たほうが目立たないケースもありますし、カジュアルな服装をすれば周囲に溶け込めることもあります。
尾行調査をする時、目立たない服装とはどんな格好がいいかを事前に確認しておくのが基本です。また簡易な変装も役に立つので、リバーシブルの上着や、何種類ものメガネを準備しておくのも探偵の尾行テクニックでしょう。
探偵は後ろにいない?プロの尾行テクニック!
探偵は真後ろから尾けているとは限りません。尾行をする場合、ドラマのようにわざとらしく、ターゲットの後ろを隠れながら尾けていく探偵などいません。確かに尾行は後方から、ターゲットの後について行くわけですが、身を潜めたりせず他の歩行者と同じように普通に歩きます。
この場合にキモになるのは、“ターゲットとの距離”です。ターゲットとどのくらい離れて尾行していくかは、周りの人ごみ具合によって変わってきます。商店街のような人通りの多い混雑した場所であれば、3メートルくらいまで近寄ることもありますが、人通りの少ない住宅街などでは10メートル以上離れて尾行するわけです。
大通りなら、車道の反対側歩道から尾行をすることも
もっともあまりに離れてしまっては、ターゲットがふいに横道に入ってしまった場合、追いつくのに全力疾走しなければなりませんし、最悪見失ってしまう危険性もあります。ですから、どの程度の距離が適当かという判断は、探偵の持つスキルがモノをいいます。
また都市部の大通り沿いなど、車道の道幅がある程度あり、両側に歩道がある道の場合、探偵はターゲットと同じ歩道を歩かず、反対側の歩道から尾行を行ないます。
警戒しているターゲットは尾行されていないかを確認するべく突如後ろを振り向くことがあります。そんな時にターゲットが気にするのは自分の真後ろであり、まさか反対車線の歩道から尾行をされているとは思いません。
ターゲットの予想外の場所から、何気なく監視するのがプロの尾行です。
事務所規模によって、複数名体制での尾行もこないます
さらにある程度の規模の探偵事務所であれば、尾行は一人ではなく二人以上のチームで行います。理由は最初に尾行していた調査員がターゲットを見失ったり、ターゲットに尾行を感づかれたりした時、相棒の調査員が尾行を交代できるからです。
問題は交代要員である相棒が尾行する時、どこに配置するか?というモノですが、これはケースによって様々でしょう。
尾行開始場所に車を用意しておいて、その中で相棒が待機しているというパターン、あるいはターゲットを何度も尾行していて、行動範囲がある程度把握出来ている時は、ターゲットが現れそうな場所付近で相棒が待機しているというパターンなどです。
昭和の昔と違い、現在はスマホや携帯電話がありますので、メールやアプリを使って尾行しながらの情報交換は簡単に出来るようになりました。ですからチームプレイで連携して行なう尾行は、昔に比べて格段に行い易くなり、尾行の成功率も上がっています。
想定外のターゲットの動きに備えて探偵が行なう準備とは?
徒歩での尾行は徒歩だけで終わることは、そうありません。ターゲットが尾行開始地点から目的地まで、ず~っと徒歩だけで移動するというのは、目的地がよほど近場だった時か、外出の目的がただの散歩だった場合くらいでしょう。
尾行を開始した時点で徒歩だったターゲットの行動で、次に考えられるのは
- 駐車場まで歩き、そこから自分の車で移動する
- バスや電車など公共交通機関を利用する
- タクシーを拾って目的地まで移動する
といったパターンになるでしょう。
車移動は、事前情報を依頼人からもらえる
ターゲットが自分の車を止めている駐車場まで歩くというのうは調査をする場合、事前に依頼人から聞いている情報になるはずです。こういうケースは、駐車場から車で尾行を開始するのが定石です。ただターゲットが借りている駐車場が自宅や職場から離れている場合、その間の行動チェックのために尾行する可能性があります。とはいえ、ターゲットが駐車場で車に乗って移動するのは、予め予想できます。ですからターゲットの借りている駐車場近くに探偵も車を用意しておき、ターゲットが車で移動を始めたら、探偵も車による尾行を開始するわけです。
公共交通機関での移動には、ICカードを上手に利用
ターゲットがバスや電車などの公共交通機関を利用する可能性も、尾行を開始する前に想定しておかなければなりません。これも近年は「パスモ」や「スイカ」といった交通ICカードが登場したおかげで、ターゲットの行き先を確認しなくても、すぐにバスや電車に乗車できますので、尾行も随分楽になったものです。ただICカードの残高は十分にチャージしておく必要があるでしょう。
タクシーをタクシーで追尾の際は、身元をオープンに
ターゲットが自分の車や公共交通機関を利用せず、突然タクシーを拾って走り出してしまうことも珍しくはありません。こうした事態が発生した場合、探偵もすかさず別のタクシーを捕まえて後を追うのが普通です。
ただ探偵は警察のような捜査機関の人間ではなく、立場は一般人と同じですので、警察手帳を見せて「あのタクシーの後を追ってくれ!」と命令するわけにはいきません。
「一緒に飲みに行くから、あのタクシーの後についていってもらえる?」などのようなセリフで尾行を続行する手も過去には使われていたようです。
しかしその場合、タクシーの運転手は見失わないように尾行しているタクシーのすぐ後をついて行くため、ターゲットにバレてしまう危険が高くなります。
この場合の正解は、タクシーの運転手に探偵だと身元バレをして、素直に事情を話して尾行してもらうのがセオリーです。
このような事態を想定して、タクシー代を清算できる程度の現金も事前に用意しておく必要があります。ですが、近年はタクシーも「パスモ」や「スイカ」などの交通ICカードで清算できるようになっています。
まとめ~探偵のスキルが尾行の成功率をあげる~
探偵は尾行の成功率を上げるため、様々なスキルやノウハウを持っています。探偵の身分は一般人と同じです。警察などの捜査機関のように捜査権を持っているわけではありません。だから尾行調査も特別な職権はないわけです。
にもかかわらず、一般人ではそう簡単にはいかない尾行調査で成果を上げられるのは、探偵たちが経験や研究を積み重ねて生み出した様々なテクニックやノウハウを持っているからでしょう。
もっともいくらプロの探偵が行う尾行だとしても、尾行の成功率が100%とは限りません。
尾行調査で重要なのは“ターゲットに尾行を悟られないこと”です。尾行をしている時、ターゲットを見失うか?、ターゲットに尾行がバレるか?という選択を迫られるような事態に陥ったとしたら、探偵は躊躇わずターゲットの失尾を選びます。
ターゲットに尾行がバレなければ、後日再び尾行を成功させることができるからです。
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